2008年12月2日(火曜日)

風が吹けば桶屋が儲かる 〜 情報システムの導入と投資対効果の関係(2) 〜

カテゴリー: - kom2 @ 17時53分16秒

前回の概要:
(1)作業置換型 情報システム
    既存の業務をシステム化した情報システム
(2)業務支援型 情報システム
    中核業務は既存のままで、それらを支援するシステム
(3)新業務型 情報システム
    技術革新等により、新規に発生したシステム
 

(1)及び(3)は投資対効果の算出は比較的容易だが、(2)の支援型は費用対効果の算出が難しい。
と言ったあたりまでが前回のお話でした。
 

それでは(2)の支援型が、なぜ費用対効果の算出が難しいか?をもう少し考えてみます。
 
前回も少し触れていますが、支援型は『支援』という特性上、作業そのものの効率化というよりは作業支援になる場合が多く、導入効果が曖昧になりがちです。効果が不鮮明なので、当然費用対効果の算出は難しくなります。
例えばCADデータをPDMで管理する場合、設計者が感じる効果というのは、版履歴を管理出来る、グループ設計が出来るなどがありますが、どれも中核業務である『設計業務』に直結する様な効果は感じないと思われます。
これはPDMが設計業務の支援という位置付けだからと考えられます。

 

又、支援型は個別の業務の最適化よりも全体最適を目的とする事もある為、特定業務に注目した場合に効果が低い場合があったり、効果が出るまで時間が掛かる場合もあります。この様な場合も、費用対効果の算出は難しくなります。
例えば、営業支援システム(SFA)の様なツールで、顧客情報や営業活動情報を管理する場合、データを入力側である現場担当者と、データを使用する側である管理者側とでは効果の感じ方は違うと考えられます。
又、情報共有を目的とした支援系ツールでは情報が蓄積されるまでは、効果を感じる事はできません。

 

これらの事から、支援型システムの場合費用対効果を算出するよりも先に、『導入効果を正しく認識する』必要がある事が分かるかと思います。
それでは導入効果とは何でしょうか?

 
・これらのツールを導入すればデータの一元管理が可能になります
・これらのツールを導入する事により業務をよりスピーディーに行う事が可能になります
・これらのツールを導入する事により、より実践的な企業戦略が可能になります

 
等々…導入検討時に各ツールのベンダーがセールストークした内容が、実は『そのシステムの導入効果』です。
 

導入検討時に考えていた効果が、本来、高次元の戦略レベルであった筈なのに対し、導入後は「システムを利用している現場」に対し効果を測定しようとする為に『桶屋理論』を捻り出さざるを得ない状況を作り出しているのでしょう。

 
もう一回だけ続きます :???:


2008年9月16日(火曜日)

情報システムのあり方 〜風が吹けば桶屋が儲かる(1) 〜

カテゴリー: - kom2 @ 17時08分00秒

間隔が空いてしまいましたが、情報システムと投資対効果の関係についての続きです。

投資対効果を考えるにあたり、情報システムをその成り立ち(?)別に次の3つに分類して考えます。

(1)作業置換型 情報システム
既存の業務で行う作業をコンピュータを使う事によって行う業務系情報システム。

  • 会計業務:出納帳→会計システム
  • 設計業務:ドラフター→2D-CAD
昔は別の道具で行っていた業務をそのままコンピュータ上で行える様にした情報システム。
導入以前と導入後では、『使う道具が変わった』イメージとして捉える事ができる。

(2)業務支援型 情報システム
中核業務自体はそのままで、それら中核業務を円滑に行える様に支援するシステム

  • 営業業務:営業支援システム(SFA)
  • 設計業務:PDM・PLM等
  • 経営戦略支援:データウェアハウスやOLAP等
中核業務自体の変化よりも、それらの業務を支援する事を目的とした情報システム。
中核業務の改善というよりも、他システムとの連携や情報の共有化などが目的のイメージ。

(3)新業務型 情報システム
インターネットネットの普及や技術革新により可能になった新規業務

  •  メーカー直販サイト(BtoC)
  •  ICタグなどによる在庫管理システム
技術的な進歩などにより実現可能になった業務や、全くの新規業務の情報システム。

これら3つに分類した時、(1)及び(3)は投資対効果の算出が簡単にできる場合が多いようです。
(1)は既存の業務が置換されたイメージなので、導入前→導入後で明確に作業効率を計る事ができ、(3)は新規業務となる為、効果算出がしやすいと言う側面がある為と思われます。
しかし、(2)の場合は『支援』という特性上、中核業務はそのままで作業支援が主体になる場合が多く、又、どのようなシステムでもそうですが「導入時の敷居の高さ」から、導入による利便性の向上よりも、導入による負荷の増加ばかりが目に付く様になりがちです。
そのため、費用対効果を算出しようとすると、「費用がかかっている割に効果が薄い」という事になりやすく、
「風が吹けば桶屋が儲かる」の様な効果が前面に出てくると考えられます。

それでは支援型の情報システムの効果算出はどのように行うべきなのでしょうか?
(つづく :-D


2008年6月20日(金曜日)

情報システムのあり方 〜風が吹けば桶屋が儲かる(0) 〜

カテゴリー: - kom2 @ 19時08分47秒

突然ですが皆様は「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざをご存じでしょうか?

意味としては「意外なところで影響が出る。あてにならない期待をする」という意味なんですが、どういう理論展開かまで知っている人はどの程度いるものなんでしょうか?

  1. 風が吹くとホコリが舞う
  2. ホコリが目に入り、盲人が増える
  3. 盲人は三味線弾きになるので三味線を買う
  4. 三味線は猫の皮で出来ているので猫が減る
  5. 猫が減るとネズミが増える
  6. ネズミが桶をかじるので、桶屋が儲かる

(由来としては「桶屋」では無く「箱屋」で、最後は箱をネズミがかじるらしいですが…


ある種のドミノ連鎖的な出来事により最終事象が起きる例えとして利用されている訳ですが、情報システム等の導入後に、情報システムの担当者様から「次年度の予算取り」の為などに、投資対効果の説明として「桶屋理論」的な説明の相談を受ける事が多々あります。

  • このシステムを導入する事により、印刷される紙の枚数が30000枚減る事で、年間約200万円の経費節減になります。
  • このシステムを導入する事で、従来なら1週間かかっていた承認行為が、承認までにかかっていた時間が短縮され、人件費に換算すると年間2000万円削減される試算です。

等々…。

さすがに最近は「情報システムと投資対効果の関係はアンタッチャブルな領域」として認知されつつあるので「情報部門担当者様からのお悩み相談」は減りつつはありますが、情報システムへの投資対効果とは本当に「アンタッチャブル」なんでしょうか?
次回以降、何回かに分けて情報システムのあり方を説明していこうと思います。


15 queries. 0.031 sec.
Powered by WordPress Module based on WordPress ME & WordPress