風が吹けば桶屋が儲かる 〜 情報システムの導入と投資対効果の関係(2) 〜
前回の概要:
(1)作業置換型 情報システム
既存の業務をシステム化した情報システム
(2)業務支援型 情報システム
中核業務は既存のままで、それらを支援するシステム
(3)新業務型 情報システム
技術革新等により、新規に発生したシステム
(1)及び(3)は投資対効果の算出は比較的容易だが、(2)の支援型は費用対効果の算出が難しい。
と言ったあたりまでが前回のお話でした。
それでは(2)の支援型が、なぜ費用対効果の算出が難しいか?をもう少し考えてみます。
前回も少し触れていますが、支援型は『支援』という特性上、作業そのものの効率化というよりは作業支援になる場合が多く、導入効果が曖昧になりがちです。効果が不鮮明なので、当然費用対効果の算出は難しくなります。
例えばCADデータをPDMで管理する場合、設計者が感じる効果というのは、版履歴を管理出来る、グループ設計が出来るなどがありますが、どれも中核業務である『設計業務』に直結する様な効果は感じないと思われます。
これはPDMが設計業務の支援という位置付けだからと考えられます。
又、支援型は個別の業務の最適化よりも全体最適を目的とする事もある為、特定業務に注目した場合に効果が低い場合があったり、効果が出るまで時間が掛かる場合もあります。この様な場合も、費用対効果の算出は難しくなります。
例えば、営業支援システム(SFA)の様なツールで、顧客情報や営業活動情報を管理する場合、データを入力側である現場担当者と、データを使用する側である管理者側とでは効果の感じ方は違うと考えられます。
又、情報共有を目的とした支援系ツールでは情報が蓄積されるまでは、効果を感じる事はできません。
これらの事から、支援型システムの場合費用対効果を算出するよりも先に、『導入効果を正しく認識する』必要がある事が分かるかと思います。
それでは導入効果とは何でしょうか?
・これらのツールを導入すればデータの一元管理が可能になります
・これらのツールを導入する事により業務をよりスピーディーに行う事が可能になります
・これらのツールを導入する事により、より実践的な企業戦略が可能になります
等々…導入検討時に各ツールのベンダーがセールストークした内容が、実は『そのシステムの導入効果』です。
導入検討時に考えていた効果が、本来、高次元の戦略レベルであった筈なのに対し、導入後は「システムを利用している現場」に対し効果を測定しようとする為に『桶屋理論』を捻り出さざるを得ない状況を作り出しているのでしょう。
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